退廃のモノローグ
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2017.12.21 Thursday

「ギルガメッシュ叙事詩」と「写真を撮る」こと

ギルガメッシュ叙事詩が好きで、以前も取り上げたことがありますが、改めて取り上げたいと思います。
この叙事詩は遥か40世紀前、古代シュメール人が粘土石版に綴った世界最古の物語です。
ここに描かれているテーマは死ぬべき運命を持って生まれた人間がどう生きるべきか。
生きていくことの普遍的、基本的な価値を、ギルガメッシュの戦いと旅の物語を通じて教えてくれます。
暴君で嫌われ者であったギルガメッシュを見かねた神がライバルであるエンキドウを生み出します。
エンキドウは全身毛むくじゃらの知性を持たない野人として生まれ、森で動物とともに暮らしていました。
そこへ高級娼婦が送り込まれ三日三晩交わることで野蛮な力をなくし、その代わり理性を得て町に降ります。
現代人なら娼婦と交わることは単に性欲の満足としか捉えないでしょう。
しかし古代シュメール人は、男は女と交わることで女を知ることになる。三日三晩抱きしめ交わることで、そこに温もりや柔らかさや気遣いを直接肌と呼吸、全身で知ることになる。そこに生まれるのは他者への気遣いであり、理性を得ることができると考えていたのでしょう。深読みすると、女を大切にできない男は野人なのだ。
シュメール人は、精神的な病の人間や生まれ持って人体を一部を欠損した人間に対して、彼らがそう生まれたのは神様が人間を作る時に酔っていたのが原因であり、神様が悪いのだから彼らにはちゃんと職を与えねばならないという考えを持っており、他者に対する気遣い、優しさが人間にとって最も大切だと考えていたように思います。
古代ギリシャ人が真剣に自分達がオリンポスの神々の子孫だと考えていたように、人間は神に近い存在であり、だから人間であることに誇りを持ち、そのためにどうあるべきか精神性に対して強く求めていたようです。
山から降りたエンキドウはギルガメッシュと対決します。
そしていつまでも決着がつかない二人は親友になります。
ここでは女性ではなく、同性の男に対して相手を思う気持ちが生まれ、ギルガメッシュは暴君ではなくなります。
女性(異性)とは肉体の交わりを通じて相手を知り、男同士(同性)とは戦いを通じて相手を知る。
異性を知ること。友を知ること。それが理性につながる。
性行為や戦いから大切なものを得る。
簡潔に書かれた物語の中に人間の持つ根源的な衝動が大切なことを教えてくれています。
その後、ギルガメッシュとエンキドウは森の怪物退治や天の雄牛と戦いますが、その結果エンキドウは神から呪いを受けて死んでしまいます。
その親友の死からギルガメッシュは死への恐怖に取り憑かれて永遠の生命を求めて旅立ちます。しかし苦心惨憺の挙句不死は得られず失意とともに国に帰っていきます。
その旅の途中で酒場の女主人の言った言葉が、シュメール人の「生きる」ことへの哲学が示されています。
「ギルガメッシュよ、あなたはどこまでさまよい行くのです。
あなたが求める生命は見つかることがないでしょう。
神々が人間を創られた時、人間には死を割り振られたのです。
生命は自分達の手のうちに留めおいて、ギルガメッシュよ、あなたはあなたの腹を満たしなさい。
昼も夜もあなたは楽しむがよい。
日ごとに饗宴を開きなさい。
あなたの衣服をきれいにしなさい。
あなたの頭を洗い、水を浴びなさい。
あたなたの手につかまる子供達をかわいがり、あたなの胸に抱かれた妻を喜ばせなさい。
それが人間のなすべきことだからです。」
シュメール人は、人間の営みとは、日々をみんなと楽しみ、自分になついてくるこのを大切にし、自分が愛するものを喜ばせること、だと考える民主的な種族だったことがわかります。
もしかすると、当時はまだピラミッドなどはありませんでしたが、ピラミッド(に限らず中国の古墳等)が王が死後の世界も現生と同じように生活できるようにと何十年もかけて豪華絢爛に作っていたようなことの先駆けがあり、それは庶民に大きな負担をかけることになっていた。だから民主的なシュメール人は、不死を追求するのは無駄だ。もっとみんなで今を楽しもう。ということを物語という形にして石版に決意表明したのかもしれません。
・・・・・・・・・
ギルガメッシュの話が長くなってしまいましたが、
写真を撮ることの原点は家族写真と言われています。
厳密に言うと肖像写真になります。
そこから日常、街中、風景を撮るようになった。
カメラ機材の売上は圧倒的に一般庶民が趣味で撮影するための購入が占めています。
記念日や子供達の成長記録など、個人の価値ある瞬間を残すために撮ります。
趣味が高じると毎日何かを撮るようになっていきます。
無意識に写真を撮ることがこの世界の価値の探求に繋がっているように思います。
女性を撮るなら、より女性を知ることになる。
顔やスタイルの美しさや性的な魅力はもちろん
仕草や喜怒哀楽の表情
ドレスやコスチュームの違いによる魅力の変化、新たな魅力の発現
女性ならではの感性、表現力、考え方
撮影を通じてそれを知り、撮影を通じて対話し、そして考えていく。
風景を撮ることも日常スナップを撮ることも、スポーツやイベントを撮ることも全てはそこにつながります。

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